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【豊洲問題】今後の豊洲移転のスケジュールと東京都の対応。環状2号線の地下トンネルは間に合わない?

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昨日(11月18日)小池知事より定例会見において、豊洲移転をめぐる具体的な“スケジュールについて説明があった。
豊洲への移転は、早ければ来年冬、環境アセスメントの変更いかんによっては再来年になるとの見込みだ。

 
あらかじめ強調したいのは、この豊洲移転のスケジュールについてはあくまでも、豊洲が本当に安全であるという確認がとれ、移転に向かうという状況が整った、という前提での話である。

さて、
環境アセスメントの変更というのは、例の盛り土の件である。

豊洲市場施設の建設前に提出された環境アセスメントの評価書は、盛り土を行う前提で作成されていた。盛り土をせずに地下空間を設けることを示す資料の提出もなかった。
そのため環境アセスメントの変更と再提出が必要なのである。
その変更が軽微な場合、再提出に要する期間は1、2ヶ月程度と言われているが、変更内容いかんによっては、1年から15ヶ月程度かかると言われているのだ。

小池知事の説明の中で、2017年の冬、もしくは2018年という2パターンの見込みになっているのは、この環境アセスメントの件があるためだ。



移転延期に伴う損失

この定例会見に合わせるように、昨日築地市場の水産物卸売業者の団体が、豊洲移転の延期に伴う損失額を試算した。
築地市場の老朽化した設備の修繕費など、一時的なコストは合計で1億3500万円、新たに採用した従業員の人件費や豊洲市場の電気料金などの維持管理費は3億円という内容である。
この維持管理費は今後も毎月掛かるという。 

この金額は妥当なのだろうか。
本来的には延期の期間の長さによっても金額は変わるはずである。
また、この金額は全業者の分ではないらしい。
他の仲卸団体や輸送関連業者、原価償却、二次以降の業者分など、どこまで含めるかによっても金額は大きく変わるだろう。

あくまでも試算なので、そう受け止めるべきである。
またいつかの話のように、金額だけが独り歩きして混乱を招かないように気をつけねばならない。

なお、上記の損失は業者の損失額であるが、一方で維持費として都が負担する金額もある。
これが一日503万円として計算すると、年間18億になる。

あくまでも試算なので、メディアの報じ方も気をつけるべきだろう。



補償に関するスケジュール

小池知事は事業者への補償に関するスケジュールも明らかにした。
それによると、以下のような内容である。

11月下旬~12月中旬 事業者へのヒアリング
12月下旬~1月上旬 補償スキームの策定
2017年1月 市場業者への説明
2017年2月~3月 個別相談受付
2017年4月~ 申請受付
補償金支払




オリンピック道路

豊洲移転の延期が与える大きな影響について懸念されていたのが、市場跡地に敷設予定の環状2号線である。
2020年に開催される東京オリンピックにおいて、重要な輸送路になる予定だった。

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環状2号線(出典:東京都建設局)


これが間に合わないと大きな問題となる。
従来案では築地市場の跡地の地下にトンネルを作る計画だった。
そもそもこの計画が、豊洲への市場移転を急がせた原因でもあったのだが、これはどうやら間に合わないようである。

小池知事によると、以下のような対応内容になるそうである。

1)地上部道路で対応する
2)交通ソフト対策(信号機連動等)を検討
3)地下トンネルについては市場移転後に整備、五輪大会後に完成




メディアが忘れてはならないこと

豊洲移転問題に関して少しずつではあるが、メディアが小池知事を批判し始めている印象がある。
それは「小池知事は問題点を指摘したが、なかなか解決への糸口が見えない」、という論調である。
昨日のいくつかの番組でも
市場事業者への直接対話がない
政治塾を作っている場合ではない
というコメンテーターがいた。

いずれも自分の意見ではなく
...という批判が出始めている
という言い方、つまり言っているのは自分じゃない、自分はあくまでも伝えているだけだという姿勢だ。
自分の意見であることは明らかである。

こういう言い方は気に入らない。
批判したければ、はっきり自分の意見として言うべきだ。

それと、延期による損失、補償の話になってくると決まりごとのように都や担当知事に批判がいくのも短絡的である。

問題はそんなに単純じゃないのである。

確かに東京都に責任がある。
当時の都庁の職員(幹部)の責任もある。
しかし、もっと責任があるのは当時の最高責任者である。
そして都議会である。
予算を決定する権限を持っているのは都議会である。
その都議会が監視者としてはたらかなければ、いったい誰がこんなずさんな計画を止めることができるだろう。

さらに言うとこの豊洲問題は、これまでの歪な東京都の意志決定システムを正す最大のチャンスなのである。
それを小池知事が一生懸命やっているのだから、短絡的に批判せず懐深く落ち着いて見守っていこう。