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しんさくのねっとかわら版

私が住んでいる東京都の話題や日本の将来について、濃い情報を発信します

彩湖が脱落?東京五輪ボート競技候補地をめぐっての希望と失望そして混乱と思惑

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東京五輪ボートの開催候補地として彩湖が脱落する模様。海の森は恒久施設案と仮設施設案に二分され新たな3案で検討されるらしい。
その案をめぐっての人々の希望や思惑について考えてみた。

 
韓国開催案について

本題に入る前に先日の韓国開催案についてふれておきたい。

東京五輪ボート会場の韓国開催案にびっくり仰天!あのW杯日韓共催のことを思い出してしまった

あれはすでに2年前にIOCが選択肢として示していた案にすぎなかった。
IOCが正式にコメントしたわけでもない。
ではなぜこのタイミングで報道されたのか。

小池知事に不快感を示した人物が例の会談の前にリークしたんだろう、というのが大方の見方のようだ。
しんさくはそういう人物よりむしろ朝日新聞に怒りを覚える。まるで三流紙のような報道である。
こんな報道のしかたをくり返したら、朝日新聞の格はどんどん下がるだろう。

まあどちらにしても韓国共催など選択されるはずがないから、あまり気にすることはないのかもしれない。


彩湖が外れ新たな三択に

さて、本題だが
ボート・カヌーの競技候補地は都臨海部に新設する海の森水上競技場と、宮城県登米市の長沼ボート場、そして埼玉県戸田市の彩湖の3候補地だった。

しかし都政改革本部の調査チームは、彩湖は洪水や渇水対策のための防災用施設であり、国土交通省の管轄のため開催は困難であるという見方を示した。

事実上彩湖は候補地から外れたとみていいだろう。


新たに調査チームは
長沼ボート場案
海の森・恒久施設案
海の森・仮設施設案 

この3つの案に絞り込んで検討を進めているとしたらしい。


これを見て、首を傾げる人もいるだろう。

まず仮設施設案だが、そもそもあれだけレガシーレガシーと力説しておきながら、なぜ今さら仮設案なんだ、と。
大会後にレガシー遺産として残すことが重要とあれだけ言っていたのに。

次に思うのはやはり削減できるとした金額だ。
なにしろ200億も削減できるというのである。

200万ではない。
200億である。

そもそも海の森の整備費の沸騰が開催地見直しの原因だったわけだが、なぜこうも簡単に費用を削減できるのだろう、と。

その削減内容だが、テレビ中継用桟橋設置をやめることで60億、予備費90億は必要なしとして削減、屋根付き観客席の縮小および艇庫を仮設施設にすることで40億、合わせて約200億円の整備費を削減するらしい。

ただ、五輪で一番お金がかかるのは物理的な整備費より人件費だという人もいる。
そして、この人件費はその時の情勢によって大きく変動するという。
だから招致時の費用は本体価格のみでいいとIOCが言ったのかもしれない。

何にしても費用に関しては、これまでそういう説明がなかったことが問題である。



仮設案が追加された裏の事情

さて
先ほど指摘した、なぜ今さら仮設案なんだ、という点だが、
実は、あれが新たな候補地選択案のミソなのではないか。
そう、しんさくは思った。

都政改革本部は言ってみれば小池知事のチームである。
おそらく小池知事の心境をおもんばかって、落とし所を用意したのであろう。

小池知事は復興五輪の強いメッセージになるとし、事実上長沼ボート場を推した。
まずは忘れかけていた復興五輪の理念を思い起こさせることに成功した。

次に、海の森が整備費を約200億円削減した。
このことも小池知事の大きな功績になる。

そして最終的に恒久施設案が選ばれることになれば、レガシーが残り、スポーツ振興に理解を示したとされ、支持されるのである。

宮城県登米市の人たちにとっては残念な結果になるが、それでもあれだけ長沼ボート場が大々的にアピールされたのである。復興の理念を思い起こさせるシンボルになった。これも小池知事のおかげということになる。

整備費については、例の四者会談で話し合いさらに精査していきましょう、また経費の分担も一緒に検討しましょうということになるだろう。

反目しかけていた大会組織委員会とも仲直りし、わざわざ日本に来て仲裁を取り持ったバッハ会長も喜ぶ。
みごとにWin-Winが成就する落とし所である。

ただし、見過ごしてはならない問題点がある。


「復興五輪」はどうなる

招致の段階から、東日本大震災からの“復興”を掲げ、「復興五輪」を国や組織委員会は繰り返し強調してきた。

しかし
聖火リレーやサッカーの予選を実施する程度では、海外に向けての「復興五輪」の強いメッセージにはならないだろう。
大会後のレガシーも国際交流、記念競技大会、アスリートとの交流など陳腐でメッセージ性に乏しい項目が多く、実際目玉に欠ける。

招致時にあれほど情熱をこめて叫んだ「復興五輪」という本来の理念はしだいにかすれ始めていた。

そんなとき長沼ボート場案が浮上し、創意工夫次第で「復興五輪」の強いメッセージを発信するチャンスとなった。
海の森を選択すれば、その最後のチャンスを捨てることになるかもしれない。


海の森の課題は解決されているのか

海の森の問題点は、膨れ上がった整備費だけではない。
競技に適さない環境のことがいろいろと指摘されていることを忘れてはならない。

まず、風と波の問題。
実はこの点に関しては対策が講じられているらしい。
だが、初めての試みである海での競技場だ。実際に作ってみて思った通りの効果が出なかったら、さらなる対策が必要になるだろう。その場合余計に費用がかさむことになる。
つい豊洲市場の地下水管理システムを連想してしまう。

次に海水の問題。
塩分によりボート・カヌーが浮き漕ぎにくくなる点、またボートが痛みやすい点。
この点に対する対策は、今のところとくに提示されていないはずである。

そして旅客機の騒音。
羽田空港の航路直下のため78~82デシベルの騒音になると指摘されている。
この点に対する対策は、事実上不可能といっていい。
実際の競技への影響はどの程度なのか。
いまのところはっきりした見解は出ていないと思う。

ただ、海の森が成功したら大変な成果になることも確かだ。
なにしろ実現不能と言われていた海によるボート競技施設を世界で初めて実現するのである。
これは決して皮肉で言っているのではない。

本当にすごいボート競技場になるらしい。
この海の森に夢を懸けている人たちもいるわけである。
成功したらボート競技界の切実な思いが実るのだ。

だから中途半端に作るくらいなら、しっかり予算をつけてその夢を実現してほしい、という気持ちもどこかにある。

「復興五輪」を取るのか
世界初の「夢のボート競技場」を取るのか

非常に悩ましい難しい選択である。
小池知事は今月中にも方針を決めると言っている。

はたしてどんな結末が待っているのだろうか。