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しんさくのねっとかわら版

私が住んでいる東京都の話題や日本の将来について、濃い情報を発信します

修学旅行の誰にも信じてもらえない体験

雑記

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お題「誰にも信じてもらえない体験」

  はてなブログの機能に「お題スロット」というのがあったので使ってみた。

 
使い方は簡単で、編集画面のお知らせ枠にある「お題スロット」をクリックするだけだ。
「スロットを回す 」アイコンをクリックするたびに、お題の内容が変わる。
しんさくは「誰にも信じてもらえない体験」で書いてみることにした。



はじめてゴキブリに遭遇した

あれはしんさくが高校生の頃だった。
修学旅行で内地(注1)に行くことになった。
しんさくは生まれは北海道である。
つまり道産子(注2)である。

北海道から出ることはほとんどなく、高校生の修学旅行くらいだった。

修学旅行は夢のような体験の連続だった。
遭遇する世界の何もかもが新鮮で、驚きの連続だったのである。

今思うと、海外産のオープンワールド(注3)をVR(注4)で生体験しているような感覚だったはずである。

修学旅行の貴重な宿泊体験。
クラスの仲間達が思い思いの過ごし方をしている中、
しんさくは、ひとり京都の旅館の広大な空間を探索して楽しんでいた。
いわゆるソロプレイ(注5)である。

北海道育ちのしんさくが初めて見る京都の古い建物の壁、床などの様式、さまざまな得体の知れない鑑賞用の美品...
まるで未知の建造物の中のように思えた。

長々と続く渡り廊下を進む途中、しんさくはふと何かを見つけた。
小型の昆虫のようなものが静止しているのだ。
目の前2メートル先である。

不気味に黒光りする本体。
いやらしく蠢く触覚。
あれはよく漫画に出てくるゴキブリ(注6)だ!

しんさくは驚きとあまりの興奮で呆然となった。
ゴキブリに初めて遭遇したのである。しかも至近距離で...

が、すぐに我に返り大声で仲間を呼んだ。
「ゴキブリだぞー!みんなー! ゴキブリがいたぞおおおおお!」

すると、わらわらとクラスの仲間達が集まってきた。
「ゴキブリどこだ」
「どこだどこだ」
「どこだどこだ」
「おれが成敗してくれる」

いったい何でこんなにはやく集合できるんだ。
苦笑しつつしんさくは指差した。
「ほらそこに」


仲間が袋叩きにした

クラスの仲間はゴキブリを確認すると、みな履いていたスリッパを手に持ち替えるなりゴキブリに殺到した。

あわれゴキブリは逃走かなわず、その場で袋叩きにあってしまった。
ひとり冷静になっていたしんさくは、袋叩きの刑には参加せず、ゴキブリがよけいな動きに出ないか監視していた。

「やったか」
「やっつけた」
「思い知ったか」
「もうこれで大丈夫だ」

口々に言い捨てつつ、しんさくのクラスメート達は仕事がすんだとばかり散っていった。
集まるのも早いが、散っていくのもすばやい連中である。
あとには、しんさくだけが残った。


1対1の決闘!そしてクライマックスへ

あれだけ大勢でコテンパにやられたのである。
なかには嫌悪感丸出しで本気で叩いていた者もいた。
生存しているはずがない、としんさくは思ったのも無理はない。

しかし好奇心旺盛なしんさくはそこを立ち去らず、しばらくそのゴキブリ(の残骸)をながめていた。


すると、むっくりとゴキブリが起き上がったのである。
それはまさに起き上がったと表現するしかなかった。

何と言ったらいいのだろう。
戦いで死んだふりをして難を逃れた戦闘員が、しばらくしてから「よっこいしょ」と言いながら起き上がって歩きだす...

まるでそんな印象だった。

しんさくは、今度こそ驚愕した。
しんさくは叫んだ。
「ゴキブリだぞー!みんなー!」

だがみんなは来なかった。
もう仕事は済んだと確信して、地下のゲームコーナーにでも行ってしまったのだろう。
無理もないのである。

あれだけコテンパにやっつけたのだから、蘇生するはずがないのである。
だが、蘇生した。

みんなは来ない。

しんさくは意を決してスリッパを持ち替え、ゴキブリに向かっていった。
逃げるゴキブリ。
追うしんさく。

すると、ついにゴキブリは廊下の隅に追いつめられてしまった。
スリッパをふりかぶる。
「これでフィニッシュだあああ」

すると、とんでもないことが起きた。
ゴキブリがしんさくに襲い掛かってきたのである。

ゴキブリが飛行するという認識を持っていなかったしんさくは虚をつかれ、飛んできたゴキブリを避けるのが精一杯だった。

ゴキブリはしんさくをすり抜けて、どこかへ飛び去ってしまった。

しんさくは呆然とその場に立ち尽くした。


やがて、気を取り直したしんさくが、ゴキブリが飛行したこと、何よりも自分に歯向かってきたことをクラスメートに力説したが、誰一人信じてもらえなかった。
「ほんとだって! 本当なんだって!」
でも誰にも信じてもらえなかった。


これが、しんさくの「誰にも信じてもらえない体験」のひとつである。
「誰にも信じてもらえない体験」は、まだまだたくさんあるが、今回はこのくらいで。つまらない話で申し訳ない(T_T)


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(注1)内地
北海道の人間が本州を指して言う言葉。「内地のひとはさー」などとして使う。


(注2)道産子
厳密には北海道産の馬を指す。そこから北海道出身者にも使われることが多くなった。実は北海道の人間はそう呼ばれることに違和感がある。というより迷惑だったりする。今回はたまたま使ってみただけ。


(注3)オープンワールド
ゲーム用語。ステージ制のような一方通行ではなく、広大な世界を自由自在に歩き回って探索できるゲームの概念または設計思想、ジャンルを示す言葉である。TESシリーズやFalloutシリーズなどが有名。


(注4)VR
バーチャルリアリティ。仮想現実。
人間の感覚器官に働きかけ現実のように感じられる環境を人工的に作り出す技術のこと。昨日(10月13日)PlayStation®VRが発売され話題となっている。


(注5)ソロプレイ
ゲーム用語。オンラインゲームのような仲間と共にプレイすることが想定されているゲームで、一人でゲームを進めていくこと。「今ソロでやってます」などとして使う。


(注6)ゴキブリ
昆虫綱ゴキブリ目のうちシロアリ以外のものの総称。
全身が上から押しつぶされたように平たく、狭い場所に潜むのに都合がよい体型をしている。
ちなみに北海道ではまず見かけない。そのため「北海道には存在しない」という説が主流になっている。
今回のしんさくのように、上京してはじめて遭遇した、という人が多い。