しんさくのねっとかわら版

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石原元知事は言った「東京都は伏魔殿だね」その胸に去来するのは?

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なぜ伏魔殿と言ったのか

石原元都知事は東京都内の自宅前で、記者の取材に対し、例の「コンクリートの箱」についていくつか回答した。
この様子はテレビでなんども繰り返し放映されたので、知っている方も多いだろう。

最後に車に乗り込んで出発しようとする石原元知事に対し報道陣が、この件についての感想を聞いたところ、
「東京都は伏魔殿だね」
と言い残して去っていった。

 

このときの詳細なやりとりは、何度もテレビ放映されているし、ネットでも確認できるので、わざわざこのブログで説明することはしない。

いちおう一点だけ気になったことを述べたい。

一部のマスコミが、2008年5月に石原慎太郎さんが会見で「建物の地下を盛り土ではなくコンクリートの箱にする」という案について言及したことを理由に、あたかも地下空間ができたきっかけがこれであるかのように報道していることについいてだ。
これは、さすがに早計というものだ。

たしかに慎太郎さんは
「私は下から聞いたことを皆さんに報告しただけ」
と言って当時の市場長の比留間英人氏との食い違いを指摘された。

さらに、彼の発言が今回論点になっている工事に影響を与えたかどうかについて、
「自分は素人だから建築について話す立場ではないし、見識もない。だから人任せにしてきた。プレッシャーも与えてない」
と言ってしまった。

こんなことを言ったら、マスコミの思う壺じゃないかと思い、しんさくは大いに驚いた。
案の定、連日テレビでは、あたかも慎太郎さんが工事の変更のきっかけを作ったかのような論調で番組を構成し、これでもかこれでもかと放映している。
それに呼応してネットの報道の記事やそれを材料にした多くのブログやSNSで、痛烈な慎太郎さんタタキが始まっている。

だが、冷静に考えれば、今の段階では誰に根本的な責任があるかはわからないのだ。
どうもマスコミは、小池百合子 VS 石原軍団 というような構図を恣意的に作ろうとしているように思えてならない。

しんさくとしては、こうした表面的な報道や恣意的な番組作りは、ワイドショーに出演するコメンテーターらに任せて、もっと違った角度から考察してみたくなった。


そこで、今回の伏魔殿発言である。

石原元知事は言った「東京都は伏魔殿だね」

なぜ伏魔殿と言ったのか。

伏魔殿とは、悪魔がひそむ殿堂という意味である。
また陰謀や悪事などが絶えずたくらまれる場所という意味もある。


都議会のドンと石原慎太郎

「東京から日本を変える」
そう言って都知事選に当選した石原慎太郎さんは、大々的な都政改革を行うつもりだった。
ちょうど今、小池知事が都政改革を掲げて「都政の闇」に切り込もうとしているように、内容は違うかもしれないが当時の石原慎太郎さんも都政改革を打ち出していたのである。

ところが慎太郎さんは大苦境に立たされることになる。
それは議会の実力者であるドンの実力を思い知らされたからだ。

知事の就任挨拶をボイコットされたり、議員時代に政策秘書だった浜渦武生さんを副知事に起用しようとしたがずっと否決しされ続けたりと手痛い挨拶を逆にくらうことになったのである。
都知事がいかに強くても人事案は議会の承認を得なければならない。
結局慎太郎さんが当時の小渕首相サイドに頼み込み、竹下派を仲介に内田氏と手打ちしたそうである。
剛腕で知られる浜渦武生さんが副知事に就任し、都庁の実権を握りはじめると都議会のドンは、浜渦さんが都政を私物化しているとし、百条委員会で辞任に追い込んだそうだ。
慎太郎さんは「泣いて馬謖(ばしょく)を切る」と浜渦さんを更迭せざるをえなかった。
ドンは慎太郎さんの長男である伸晃さんを都連会長に抜擢した。

これは石原知事が逆らえないように人質にとる巧妙な人事だったらしい。
こうして石原サイドはついにドンの軍門に下った。

たびたび登場するこの「都議会のドン」と呼ばれる人物。
夫人の葬儀委員長を務めたのはなんと安倍首相である。
いかに強大な権力を持っているかがわかる。

当初は「東京から日本を変える」と言って、大きな理想と情熱を持って都知事に就任した石原慎太郎さんが、どのように巨大な権力の前に屈し次第に情熱を失っていったか。
まるで歴史小説を読むようにわかる出来事である。
あたかも東京都に君臨する絶大な権力者かのように思われてきた石原慎太郎さんだが、実際は都議会のドンに屈し傀儡化したのだ。さぞ無念だったろう。


歴代の知事の戦い

ところで、慎太郎さんはもう80歳をこえている。
報道では、例の豊洲市場の件で設計事務所を変えたとか変えてないとか、市場長に指示をしたとかしていないとか、いろいろと発言に齟齬がある様子が取り上げられているが、年齢から言ってもある程度忘れっぽくなっていても不思議はない。
肩をもつつもりはないが、あまりこの人の発言のひとつひとつを取り上げて、恣意的に責任問題に結びつけようとしないほうがいい。

それに、もともとこの人は突飛な発言で常に世間を驚かせてきた。
まともに取り合わないほうがいいと思うのは私だけじゃないと思う。

むしろ、関心を向けるべきは、
石原慎太郎
猪瀬直樹
舛添要一
そして、ジャンヌ・ダルク小池百合子

歴代の知事が都議会の闇とどう対峙しどのように戦ったか、あるいは今後どう戦うのか、そのことに着目すべきだ。

この一連の知事に起こった出来事と現在の問題はつながっているのである。
石原慎太郎さんも、猪瀬直樹さんも、舛添要一さんも、結果はともかく一度は都議会のドンと争っているはずだ。

昨今、政治の世界でこんなに興味深いストーリーは久しぶりである。
今までこの世界に無関心だったしんさくも、大いに関心を持たされた。

今回は「伏魔殿」発言で石原慎太郎さんの件に注目したが、猪瀬直樹さんの一連の出来事についても勉強したいと思っている。いろいろあったが都知事を辞めなければならないほどではなかったような気がするのである。
やはり都議会のドンの力がはたらいたのだろうか?

都議会のドンについても是非もっと知りたい。
悪役のボス、スターウォーズの銀河皇帝ダース・シディアスのように思われているが、実際はそんなに悪い人ではないかもしれない。
けっして短絡的に悪と決めつけるのではなく、まずはどんな人物なのか、ちゃんと知りたいと思う。


それにしても、面白くなってきた。
かつて誰かが言っていた。政治は戦いであると。
そして戦いは勝たなければならない。

小池百合子さんの戦略、戦術
とくと拝見しよう。